8月 022012
 
 2012年8月2日  気象, 食料

米国での記録的な干ばつやロシア・中央アジア諸国の雨量不足などで深刻化する世界的な食料価格の高騰に対し、貧困国への影響や経済への打撃を危ぐする国際機関や各国政府、業界団体の動きが活発化しています。 (島崎桂)


世界銀行のジム・ヨン・キム総裁は7月30日に発表した声明で、「短期的な食料価格高騰で、最貧国や経済の危うい国に長期的な悪影響が及ぶことは許されない」として、各国政府への政策助言や農業への投資拡大などの支援策を発表しました。

アフリカ諸国は欧州、中国の成長率低下に伴う輸出減と、食料価格高騰の“二重苦”を強いられています。アフリカ開発銀行のヌクベ副総裁は31日、 ロイター通信のインタビューで「食料価格が上昇を続ければ、アフリカは経済成長を脅かす社会混乱に直面する恐れがある」と指摘。食料輸入価格の高騰に苦し むアフリカ諸国に対する同行の経済的支援を明らかにしました。

フランス政府は28日、米農務省が8月10日に発表する穀物需給報告で深刻な状況が示された場合、9月前半にも20カ国・地域(G20)の緊急会合を招集する意向を示しました。

米国の畜産団体は7月30日、ガソリンにエタノールを混ぜるよう定めた米環境保護局(EPA)の規制について、緩和することをEPAに求めまし た。米国ではトウモロコシの約35%をエタノール生産に利用し、ほぼ同量を家畜の飼料に充てています。トウモロコシや大豆などの穀物先物市場は先月来、極 めて高い値で推移しています。

今回の食料価格高騰の最大の原因である米国穀倉地帯での干ばつが沈静化する見通しは今も立っていません。米気象情報会社ワールド・ウェザー社の気 象学者アンディー・カースト氏はロイター通信に対し「作物にとって好ましい要素など何もない。問題は、状況がどこまで悪化するかということだけだ」と語り ました。